第4章 すれ違う心
『……アユナ……』
ミーウはずっと泣いていた。
『わたし……』
アユナはそこまで思い出して目を閉じた。それから、しばらくしてアユナはゆっくりと目を開いた。
「ミーウ、もう大丈夫だよ」
アユナはミーウの背中に手を回して、優しく抱き締めながら背中をさすった。
「もう大丈夫。大丈夫だから」
ーー大丈夫。だから、ミーウ……。
「ミーウ、帰ろう。ね?」
アユナは優しく、小さい子どもに言い聞かせるように声を掛けた。
「……うん」
ミーウは小さく頷いた。
アユナはそれを見てにっこり笑い、ミーウに手を差し伸ばした。
「行こう」
「……うん……」
ミーウはアユナの手を掴んだ。2人は同時に立ち上がって、手を繋いだまま城に戻った。
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