第4章 すれ違う心
アユナはそれを読んで少し笑った。
「キラーったら……自分が明日から危険な旅に出るって言うのに、他の人にまで気を回して……」
だが、キラーの言うことは十中八九当たっているだろう。あのキッドがミーウにちゃんと説明できるわけがない。
「本当に心配性なんだから……」
ーーいつもキラーはみんなのことを心配して、面倒を見てくれていた。
(キラーはきっと、みんなのことが大切なんだろうな……)
ーーキラーにとって、わたしだけが特別な人になればいいのに……。
アユナは寂しそうに笑って、再び大楠に向かって歩き出した。
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