第40章 突然現れた炎の男
「義弟に会うんだ」
「義弟?」
ミーウは首を傾げた。
「あいつのことも忘れちまったのか?」
エースは半目の目を大きく見開いてから、少し寂しそうに笑った。
「モンキー・D・ルフィ。おれの義弟だ」
「モンキー・D……ルフィ?」
ーどこかで聞いたことがあるような気がする。
「知らないか? 少し前に、懸賞金もかけられたんだが……」
エースは床に置いていたカバンの中を漁り始めた。
「あった。こいつだよ」
エースはカバンの中に入っていた1枚の手配書をミーウに渡した。その手配書には歯を見せて海賊とは思えない屈託ない笑顔で笑っている麦わら帽子を被った少年が写っていた。
「……あ、この子……」
ー麦わら帽子を被った不思議な少年だった。またここに来て、こいつと喧嘩をするそうだ。
双子岬のクロッカスが言っていた言葉を思い出す。しかし……。
「思い出したか?」
エースがミーウの顔を覗き込んで目を合わせた。
「……ごめんなさい」
ー彼らと会ったことがあるらしいが、どうにも思い出せない。いつ、どこで会ったのか、見当もつかない。
「そうか」
エースは目を細めた。
「おれはルフィに会うために、これからアラバスタに行く」
「アラバスタに?」