第40章 突然現れた炎の男
ミーウは少し残念そうに言った。
「そういえば、どうやってこの船に乗ったの? 白ひげは……」
「親父はいねェよ」
「え?」
ミーウは目をパチクリさせた。他の船員たちも驚いている。ーーどうして、白ひげ海賊団の一員であるエースがこの〈偉大なる航路〉の前半の海にいるのに、その船の船長である白ひげがいないのだろうか。
「おれは今、野暮用で〈偉大なる航路〉を逆走しているんだ」
「〈偉大なる航路〉を……逆走!?」
船員たちは驚いた。ーーあの過酷と言われている〈偉大なる航路〉を無傷で、しかも逆走しているだなんて……有り得ない。
「さすが……四皇の船で隊長の地位を任されているだけはあるな……」
「格が違うな……」
ケイトとトーダは腕組みをしながら、エースを見つめた。
「……野暮用って……何?」
ミーウは疑問に思ったことを聞いた。
「……それは言えねェ。白ひげ海賊団の……誇りにかけて」
それまで穏やかに話をしていたエースが急に厳しい顔つきになった。
「……そう……」
ミーウは深くは聞かず、エースの隣の席へと戻った。
「エースは……これから、どこへ行くの?」
「おれか?」
エースは机に肘をついて笑った。