第40章 突然現れた炎の男
「!? ミーウ! スレイジ!」
「ん?」
「どうした?」
ミーウとスレイジは同時にお皿から顔を上げた。
「隣だ!」
「隣?」
2人は同じことを口にして、自分の隣を見た。そして、いきなり立ち上がり、椅子を後ろに倒しながらも、腰と背中にそれぞれ携えた武器を手にした。
「誰!?」
「どうしてこの船に乗っている!?」
ーーミーウとスレイジの隣の椅子にはジウが座るはずだった。だが、そこにはこの船には関係のない部外者が座っていた。ーーその男は、やや癖のある黒髪に、骸骨のレリーフの下げたオレンジ色のテンガロンハットを被り、黒い短パンを履いている。帽子の帯には笑顔と泣き顔を象ったゴーグル型の装飾、首には赤い数珠のネックレス、左腕にはオレンジのエルボーパッドや紅白のリング、〈記録指針〉などを付けている。また、腰には立派なナイフを下げている。上半身には何も羽織っておらず、均衡の取れた筋肉質な裸体を曝け出している。
「ん? ああ、おれのことか?」
男は肉を食べながら、ミーウたちの方を体ごと向けた。まぶたが少し下がった半目にそばかすの顔が笑みを作った。
「すまねェ。つい、いい匂いがしたから宴かと思って」