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【ONE PIECE】罪を抱く紅い目をした白き竜

第37章 〈偉大なる航路〉


「ラブーン、いきなり攻撃をするな。無害な人だったら、どうするんだ?」
ブオ
 ラブーンと呼ばれたクジラは男の言葉に反応して、大人しくなった。
「すまなかったな」
 その男はミーウたちに言った。ミーウたちはそれぞれ、刀を鞘に納めたり、能力を封じたりした。
「ところで、お前たちは何者だ?」
「……」
 ミーウは船を降りた。そして、目の前の男と向かい合って、真っ直ぐ前を見据えた。
「わたしの名前はキルリレ・ミーウです」
「キルリレ……」
「キルリレ・シェルミーの……孫です」
「!?」
 男は目を見開いた。
「シェルミーの……」
「クロッカスさん……ですよね?」
「……ああ」
 クロッカスは目を細めた。
「シェルミーに……孫がいたのか……」
 その目には微かに涙が溜まっている。
「はい。相手は誰かわかりませんが……」
 ミーウは目を伏せた。
「……シェルミーは……元気か?」
 クロッカスはミーウに近付いた。
「……祖母は……」
 ミーウの脳裏にあの日のことが蘇る。
「……7年前に……亡くなりました……」
 顔を俯けたミーウを見て、クロッカスは目を見開いたが、やがて残念そうに眉尻を下げた。
「そうか……亡くなったのか……」
 クロッカスはミーウの肩をポンッと叩いた。
「辛かったな……」
「……!」
 ミーウは涙が出そうになった。
「……とりあえず、疲れただろ。ここで休んで行きなさい」
 クロッカスは船の上にいる水神海賊団の面々にも声をかけた。
「……ありがとうございます」
 アユナたちは船から降り、水神海賊団は“双子岬”に置かれた机の周りの椅子に座った。
「ところで……」
 ミーウは自分たちの後ろにいるクジラを見た。
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