• テキストサイズ

【ONE PIECE】罪を抱く紅い目をした白き竜

第4章 すれ違う心


 キッドは自分のことを鼻で笑った。

「……」

 キラーは驚いて目を丸くした。しかし、すぐに仮面の奥で目を細めた。

(キッド……)

 ーーそれはおれも同じだ。愛する女1人、守れる自信がないのだから……。

「なァ、キラー……」

 キッドはまた、キラーを呼んだ。

「もし……〈ひとつなぎの大秘宝〉を手に入れて、この島に帰って来ることができたら……」

 ーーもし……自分が生きて帰って来れたら……。

「あいつは……ミーウはおれを見て、笑うと思うか?」

 ーーもう一度、自分に笑いかけてくれるだろうか。自分の目を見て、あの太陽のような笑顔で笑ってくれるだろうか。おかえりと言ってくれるだろうか。隣に知らない男がいたとしても……。
 キラーは仮面の中で、少しだけ目を細めた。

「たぶん……」

 キラーは静かに言った。


「笑ってくれると思うぞ。キッド」

/ 671ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp