第36章 それぞれの旅へ

　ミーウは苦笑した。
　ー自分もできてないことを人に言うなんて……。
　キッドは何かを考えるように目を伏せている。
「キッド……」
　ミーウの声をきっかけに、2人はお互いを見た。
「約束して。次、わたしと会うまでに能力だけに頼るのではなくて、他の戦法も覚えるって。そうでもしないと、キッド……真面目に取り組まないでしょ？」
　ミーウは真剣な表情を崩さないで言った。ーー小指をキッドの前に出して……。
「……それは……次、会った時の宣戦布告だと思って……いいんだな？」
　キッドはニヤリと笑った。
「そう捉えてもらっても構わないわ」
　ミーウは笑った。
「でも、わたしは約束を守らない限り、キッドを相手にすることはない。いい？」
「ふんっ、そんなの、おれがすぐ習得して、お前をあっと言わせてやる。覚悟してろよ、ミーウ」
「望むところよ」
　2人は小指を交わらせて結んだ。ーーミーウとキッドはお互い、次の目標に向かって立ち向かう約束をした。

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