第35章 夕焼けの意味
ミーウはしゃがんで座り込み上を向いた。上には空が広がっていた。青く、どこまでも果てしない空を。
ーでも、その優しくて大好きな人は……もういない。
「……」
(わたしが……)
ーわたしがもっと強かったら……。
そして、ミーウの脳裏をある光景が横切る。
ーー荒れ狂う炎の中に立っている1人の人影。
ー何、で?
ーミーウ。嘘をついてて、すまなかったな。
ー何で、何で……騙したの?
ーおれは元々こちら側の人間だ。
ー!
その人影の後ろから、もう1人の人影がミーウに向かって歩いて来る。
ーフッフッフッ、上手く騙されてくれて助かったぜ。
ー! あんたは……。
ーフッフッフッ、これでお前らはお終いだ!
その人物は両手を挙げて、高笑いをしたーー
ミーウは目を瞑った。
(嫌だ……)
ーーその願いは届かなくて……。
ーー高笑いをした人物はミーウを見下ろした。
ーそもそも、何故お前らが殺される運命にあるか……知ってるか?
ー知らないわ! わたしたちは何もしていない!
ー何も? フッフッフッ。
その人物は不気味な笑い声を出した。
ー何よ!
ーフッフッフッ、知らないのか? お前らは生まれてくること事態が罪なんだよ。