第35章 夕焼けの意味
ーふふ、じゃあ、楽しみにしてるわ。
ー約束だよ! だからね、おばあ様……。
ポタッ
「ミーウ?」
ミーウはキッドの声にハッとした。
「……どうした?」
キッドは立ち上がって、ミーウに近付きミーウの頬を触った。
「なんでもない」
「なんでもないなら、普通泣かねェだろ!」
いつの間にか、ミーウの頬を涙がつたっていた。
「本当に……なんでもないから……」
「ミーウ!」
ミーウはキッドの手をやんわりと振り払った。
「ごめん……。わたし、今日はちょっと家に帰るね」
ミーウはキッドが止める隙もなく、城の方向へと走って行った。
「おい、ミーウ! 待てよ!」
その後をキッドが追いかけた。
「ミーウ!」
アユナもキッドと共に追いかけようとしたが……。
「キラー……」
キラーがアユナの腕を掴んで、それを阻止した。
「アユナ、待て。ミーウなら大丈夫だ。キッドが必ず追い付いて、戻って来る」
「でも……」
「それに、おれはお前から聞きたいことがあるんだが?」
キラーは前髪で隠れている目を真剣な眼差しにして、アユナを見た。
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