第35章 夕焼けの意味
「!? おい、やめろ!」
キッドはミーウから離れて、顔を赤くした。
「何で?」
「何でって……」
キッドは返答に困った。
「キッドだって、わたしの肩に顔を埋めたじゃない」
「肩ならいいだろ! ……髪の毛は……その、くすぐってェんだよ」
キッドは少し不機嫌そうにそっぽを向いた。
「だって……」
「あ?」
ミーウは少し悲しそうな顔をした。
「……キッドの髪の毛、凄く綺麗な“赤”なんだもん」
「……?」
ミーウは羨ましそうな目で、キッドの髪の毛を見つめた。
「わたしの目はそんな綺麗な“あかい”色をしてないんだもん」
ミーウは俯いた。
「……」
キッドはミーウの顎を持って、俯いた顔を上に向けさせた。そのまま、キッドはミーウの紅い瞳を見つめた。
ミーウもキッドの瞳を見つめた。
「おれは……」
キッドは穏やかに笑いながら口を開いた。
「お前の瞳の色、す……じゃなくて、き、嫌いじゃねェけど?」
「え?」
ミーウはキッドの言葉を聞いて、驚いた様子で目を見開いた。
「だから! ……お前の瞳の色、夕焼けの色みたいに優しい色だろ? だから……好きなんだよ」
キッドは少し頬を赤くしながら、素直に話した。
「……」