第35章 夕焼けの意味
キッドはミーウの両肩を掴んで、顔を近付けた。そして、ミーウを至近距離で睨んだ。
「え、ちょ、キッド! 何で怒っているの? どうしたの?」
ミーウは混乱して、キッドの腕を掴んで揺すった。
「ミーウ、おれが久し振りに本気で謝ったっつうのに、お前はおれが何に謝っているのかすらもわかんねェのかよ!」
キッドはミーウをさらに睨み付けた。
「ちょ、ちょっと待って! 少し考えたいから! ちょっと待って!」
ミーウは混乱している頭をフル回転にして考えた。
「え、え~と」
(そもそも、キッドってわたしに悪いことしたっけ?)
ミーウはそれから少し考えたが、何も浮かんでこなかった。
「……」
「ミーウ、お前な……」
キッドは呆れたようにミーウを見た。
(こんなんじゃ、怒る気力も失せるじゃねェかよ)
キッドは1つため息をついた。
ミーウは少し困ったような顔をしながら、内心では自分のせいでキッドが機嫌を悪くしたのではと心配していた。
そんなミーウを見て、キッドはミーウの額を小突いた。
その反動のせいで、ミーウは一歩分だけ後ろに下がってしまった。
「な、何するのよ!」
「何するのよ、じゃねェだろうが! もう少し人の気持ち考えろ! この、馬鹿!」