第35章 夕焼けの意味
それから、ミーウとキッドは水神海賊団の船から離れて砂浜に行った。
(ここら辺でいいな)
ミーウの前を歩いていたキッドはある程度のところに来ると、立ち止まってミーウを振り返った。
「ここでいいか?」
「うん」
ミーウは頷いた。
「言いたいことがあるんでしょ? キッドから言ってよ」
「……お前はいいのかよ」
「後でいいの」
ミーウは少し笑った。
「そうかよ……。じゃァ、遠慮なく言うが……」
キッドはそこまで言うと、ミーウを真剣な表情で見つめた。
「……悪かった……」
「……へ?」
ミーウはキッドが突然謝ったことに驚いて、間抜けな声を出してしまった。
「だから! 悪かったって言ってるんだよ!」
「……」
キッドはもう1度謝ったが、謝られた当の本人が何で謝られているのかわかっていない。そのため、意味が無く、ミーウはまばたきをするばかりだった。
キッドは少し困ったように、頬を赤らめながら、ミーウを見ていた。
ミーウは首を傾げて、口を開いた。
「ねェ、キッド。何で謝るの?」
「は!?」
キッドはさっきまでの顔はどこへやら、目を見開いて青筋を少し浮かべていた。
「ミーウ、お前ふざけてんじゃねェぞ!」