第35章 夕焼けの意味
「何だ?」
「ごめんね。わたしの船員がいきなり攻撃したりして」
「……別に……気にしてねェよ」
キッドは少し目を伏せた。
「そもそも、敵の船に来たおれが悪ィしな」
ミーウは少しだけ目を細めてから、口を開いた。
「わたしに用があるんだよね?」
「あァ」
キッドは目を上げ、ミーウの紅い瞳を真っ直ぐ見つめた。
「2人だけで話がしてェ」
「てめェ、調子に乗るんじゃねェよ!」
キッドのその言葉を聞いて、スレイジはついにぶちギレた。
「ミーウ! お前もさっき目が覚めたばっかだろ! そんな奴の言うことなんか、聞くんじゃねェ!」
「なんだと?」
スレイジの言葉を聞いて、キッドは眉間に皺を寄せた。
「ミーウ、お前……さっき起きたばっかって……」
スレイジはその瞬間、しまった思った。
「スレイジ……」
ミーウは恨むような目で、スレイジを睨んだ。
「……すまねェ」
スレイジは困ったような顔をミーウに向けた。
ミーウはため息をついて、キッドに言った。
「いいよ。わたしも2人だけで話したかったの」
ミーウは真剣な表情でキッドを見た。
「キッドに……言いたいことがあるの」
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