第35章 夕焼けの意味
キッドはそう思って、出航する前にミーウに会いに来たのだ。
「おい、聞いてるのか? 何しに来たとおれは聞いてるんだ!」
「てめェなんかに用はねェ」
「何だと!」
スレイジは背中にある刀に手をかけた。
「おれはミーウに用があるだけだ」
ミーウの名前を聞いた瞬間、スレイジは眉をピクリと動かし、殺気を露にした。
「ミーウに……何の用だ?」
「てめェには関係ねェだろ?」
「な……」
スレイジは刀を抜いて、キッドに襲いかかった。
「ふざけるな!」
ガキーン
「!」
スレイジは攻撃を受け止められて、後ろに飛んだ。
「何で……どうして止めた! ミーウ!」
ミーウはスレイジの攻撃を能力で顕現させた氷刀で受け止めた。
「スレイジ、わたし前に言ったよね? ……この船で喧嘩はしないでって」
「……」
スレイジは唇を噛んで、ミーウを見た。
「……手合わせ以外で、人に攻撃しないでって……言ったよね?」
スレイジは悔しそうな顔をした。
「……確かに約束した」
スレイジは顔を背けて、素っ気なく答えた。
「悪かった」
ミーウはそれを聞いて、少しだけ笑った。
「キッド」
ミーウは後ろにいるキッドを振り返った。