第34章 月夜の悪戯の魔法

　それを聞いて、トーダはあっさりと言った。
「あれくらい、普通にわかるだろう？」
「そ、そうか？」
　クユンはイマイチ表情の掴めないケイトを思い出した。
「そんなことはどうでもいいだろう。ほら、行くぞクユン」
　足を進めるトーダの背に、クユンは瞬きをして呟いた。
「……よく、見ているな」

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