第34章 月夜の悪戯の魔法
キラーは少し後ろの方に落ちていた袋を拾った。ーーキラーがアユナの元に来る時に持っていたものだ。
「これを……お前に……」
キラーは砂を払い、アユナに袋を渡した。
「これは……?」
「開けてみてくれ」
アユナは言われた通り、袋を開けて中身を取り出した。
「……これ……」
「ワンピースだ」
ーー袋の中には、昨日アユナが着ていたものと似た形の白いワンピースが入っていた。
「どうしたの?」
「街の服屋で買った」
ー昨日のお礼だ。
キラーは仮面の奥で笑った。
「……そんな……」
「貰ってくれないか? おれからの気持ちだ」
「……」
ーー白くて丈が少し長めのワンピース。胸の下辺りにゴムが入っている。アユナの好みの形だった。
「……わかったわ」
アユナは笑った。
「せっかくだし、いただくわ。キラー、ありがとう」
「ああ」
2人は月の下で笑い合った。
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