第4章 すれ違う心
『海に出る』
ミーウはキッドの言った言葉を何度も何度も頭の中で繰り返していた。
ーーそれって……。
「海賊に……なるの?」
「あァ、お前らを……残して……」
キッドはミーウから視線を逸らした。
「……」
(え……?)
ミーウは言葉が出なかった。呆然とキッドを見つめた。ーー8年前のあの時、確かにミーウは4人で海賊になることを他の3人と約束したはずだ。なのに……。
「どういう……こと?」
ミーウは怒りもなく、悲しみもなく、何も感情がないような瞳でキッドを見た。
「……」
キッドは何も言葉を返せなかった。ーーミーウたちを置いていくということを言い出したのはキラーではなく、キッドだった。
「何で……約束は? 忘れて……ないよね? この前も、話したばっかだったもんね……どうして……」
ミーウはキッドの考えていることが何も分からなかった。
「あの時、お前はおれの船の船員だって……言ったじゃん……」
(何で?)
「嘘……だったの?」
ミーウはわからなかった。キッドの気持ちが。
キッドはずっと黙っていたが、少し経ってまた口を開いた。
「……ミーウ、手ェ出せ」