第34章 月夜の悪戯の魔法
「てめェら、どうしてくれんだよ!」
「今いいとこだったのによー!」
「おれらに勝てねェからって、こっちまで来るんじゃねェよ!」
「おれらの楽しみを減らすんじゃねェ!」
「せっかくキラーさんがちゃんと気持ちを伝えようとしてたのによー!」
「てめェらごときの賞金稼ぎが邪魔すんじゃねェ!」
そう叫びながら賞金稼ぎを殴っているキッド海賊団の面々がいた。
賞金稼ぎたちはもう、ほとんど倒れていた。
「……」
キラーは時を見計らって、抱き締めていたアユナを解放し、仲間のもとに行った。
キッド海賊団の船員たちは倒れた賞金稼ぎたちを見て、満足そうにしていた。
「どんなもんだ!」
「人の恋路を邪魔するからそうなるんだ!」
「どうだ、わかったか!」
船員たちはどや顔にも近い顔をして、肩を組んで笑った。
「……お前ら……」
船員たちはその声を聞いた途端、寒気をおぼえた。そして、恐る恐る後ろを振り返った。
「ギャーーー!!! キラーさん!!!!」
船員たちはキラーの顔を見て、飛び上がって叫んだ。
「いつから、そこにいたんだ? 答えろ」
キラーは怒りを抑えて、船員たちに聞いた。
船員たちは怖さで肩を寄せ合い、震えながら口を開いた。