第34章 月夜の悪戯の魔法
アユナはびっくりして、目を見開いた。
「し、しないわよ!」
「何でだ?」
「何でって……」
アユナは俯いた。
「……キラーはわたしのこと……恋愛対象として、見てないもの……」
「……」
ケイトはため息をつきそうになった。
「それは……本人に聞いたのか?」
「聞かなくてもわかるじゃない。6つも離れてるのよ?」
「……」
ケイトは懸命にため息を堪えた。
「年は関係ないと思うぞ?」
「関係あるわよ……。わたしなんて、キラーからしてみれば子どもよ……」
悲しそうに目を伏せるアユナに、ケイトは溜め込んでいたため息をとうとう吐き出してしまった。
「……どうしてそうなる……」
ケイトは額を押さえた。ーーアユナの話を聞く限り、2人は相思相愛なのではないかとケイトは思った。しかし、2人とも後一歩が踏み出せずにいるとも思った。
「……わたしが“殺戮武人”を半殺しにすれば、いいのか?」
「ケイト!?」
何かハプニングが起これば、2人の関係が進展するのでは……と思ったケイトは物騒な思考を回し始めた。
それからも、2人は夕飯の時間まで女子トークで盛り上がっていた。
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