第34章 月夜の悪戯の魔法
「……なるほどな」
ケイトはアユナから、一連の話を聞いて納得した。
「幼馴染みだから、敵だけどついて行ったと……」
「うん……」
アユナはこくりと頷いた。
「……アユナ……」
「な、何?」
ケイトは目を細めて、アユナを見ている。
「お前……“殺戮武人”が好きなのか?」
「……え……」
それを聞いた途端、アユナの顔はまたみるみる赤くなった。
「え、な、え!? ケイト!?」
「そうなんだな?」
「……」
アユナは顔を真っ赤にして頷いた。
「何で……わかったの?」
「ん? お前が……」
ー奴の話をしている時に、恋をしている女の顔をしていたから。
「……そ、そんなにわかりやすい?」
「まあ……そうだな」
ケイトはくすりと笑った。
「そ、そうなのね……」
アユナは少しショックを受けた。ーー自分はもう少し隠し事が上手いと思っていたのだ。
「そんなにヘコむな」
ケイトは面白そうにクスクスと笑った。
「……それで、アユナ」
頬杖をついてケイトは言った。
「今日も会うんだろ? “殺戮武人”に」
「う、うん……」
アユナはまた頬を赤く染めた。
「告白は……しないのか?」
「え!?」