第33章 それぞれの想い
キラーはそう考えて、街を横切り反対の海岸に着いた。
キラーはその海岸でしばらく船を探したが、なかなか見つからなかった。
(……どこにいるんだ?)
キラーは舌打ちをした。ーーその時……。
「♪〜一人じゃないから〜♪」
綺麗な歌声が聞こえて来た。ーーその歌声は水のように澄んでいて、何故か心が落ち着く声だった。
「ミーウか?」
ーいや、違う。ミーウの歌声はもう少し高かった。じゃあ……。
「誰だ?」
キラーはミーウたちの船に乗った。
「……アユナ?」
甲板にはアユナが1人立っていた。
「♪〜一人じゃないから
私がキミを守るから〜♪」
キラーはその歌声を仮面の奥で目を閉じて、聞き入っていた。ーー鈴の様な凛としたソプラノの声がとても心地よかった。
アユナが息を吐いて、再び海を見た時にキラーは声をかけた。
声をかけると、アユナはびっくりした様子でキラーを見た。
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