第32章 戦いの果てに
キラーは駆け寄って来た3人に言った。
「でも、あっちって……」
スレイジは煙が上がっている方向を見た。
「あァ……」
ケイトは目を細めて、ぽつりと呟いた。
「……ミーウとユースタスがいる方だ」
「……っ」
ーミーウの……いる方? それじゃあ……。
(ミーウ……)
ーもし、彼女に何かあったら……。
アユナの脳裏には一瞬、7年前のあの日の出来事が思い出された。
「……ミーウ!」
アユナは飛び出して、ミーウの方へ行こうとした。しかし……。
「……っ、ケイト、離して!」
走って行こうとしたアユナの手をケイトが掴んだ。
「落ち着け。アユナ」
「だって、ミーウが!」
アユナは半泣きでケイトを見た。
「いいから、落ち着け!」
いつもは冷静沈着で感情的にならないケイトが怒鳴った。
「……」
その気迫に押されて、アユナは黙り込んでしまった。
「ミーウはこんなところで死ぬような弱い女じゃない。絶対に死なない。それはお前が1番よくわかっているはずだ。アユナ」
「……」
「ミーウを……信じろ」
アユナは頷いた。
それを見て、ケイトも頷いた。
「スレイジ」
ケイトはスレイジを呼んだ。
「……何だ?」
「先にミーウのところに行ってくれ。わたしは……わたしたちはアユナが落ち着いたら行く」