第32章 戦いの果てに
それを見て、キラーは顔をしかめた。
(……もう、動けるのか……?)
そして、ふっと仮面の奥で顔を緩めた。
(……さすが、ミーウが南の海で集めた仲間の1人だな……。ミーウについて来れるようなタフな奴しかいないらしい……)
ーまた、水神海賊団と戦うことになったら厄介だな……。
そんなことを頭の中で思いながら、キラーはスレイジを見た。
「……何を、ハァ……するつもり、だ?」
スレイジの動きに注意を払いながら、キラーは返り討ちを狙っていた。
「ハァ、お前も……もうそろそろ限界だろ?」
スレイジは地面に刺した刀を抜いて、キラーを見た。
「……」
キラーはそれを聞いて黙った。
「お互い、息も絶え絶えで……体力も限界なはずだ。もうそろそろ……ハァ、決着を着けねェか?」
スレイジは刀を構えた。
「……ハァ、ハァ……いいだろう」
キラーもゆっくりと立ち上がった。
「次の攻撃で最後だ」
キラーも構えた。
「……」
「……」
2人は最後の力を振り絞って、集中力を最大限に高めた。
ー次で決める!
2人は同時に地面を蹴った。
ズバッ!!
刃物が体を切る音を立ててから、2人はつい先程まで相手がいたところに立っていた。
「……」
「……」
ザッ!
「っ!!」
「……っ!!」
スレイジとキラーは同時に片膝を地面についた。