第32章 戦いの果てに
「っ!!」
キッドはミーウに蹴られた勢いで地面に勢いよく叩きつけられた。
「っ! グァッ!」
頭を地に叩きつけられたため、軽い脳震盪を起こして頭がグルグルしている。
「……痛ェ……」
唇を切り、口の端から血が流れていることに気付いたキッドは流れている血を親指で拭った。
「どう? キッド。地面に叩きつけられた気分は?」
ミーウはキッドを上から見下ろした。
「痛いでしょ? でも、わたしはそれより痛かった」
今のミーウは……氷のように冷たい瞳をしていた。ーー冷酷。その言葉が他のどんな言葉よりも似合っていた。
「……そうかもな」
キッドは立ち上がった。
(ミーウは確かに、金属の腕で叩きつけられたから……もっと痛かっただろう……)
ーだが……。
「確かに……ミーウはもっと痛かったかもしれねェが……おれだって、今の攻撃が痛くなかったわけじゃねェ!」
キッドはミーウを睨んだ。
「おれだって島にいた時にこれでもかってくらい鍛えたが、顔を蹴られたら痛ェし、地面に叩きつけられたら痛ェ!」
ミーウはキッドを見つめた。
「おれだって、こんなガタイしてるけど……海賊だけど……もともと、普通の人間なんだからな」