第32章 戦いの果てに
キッドはミーウを見つめたまま、頭をフル回転させて考えた。しかし、一向にいい考えは浮かばなかった。
「あれ? お手上げなのかな? キッド」
ミーウは島にいた時のように楽しそうに笑った。ーーまた、キッドと一緒に遊んでいるというような笑顔だ。
「チッ! うるせェ! 反発!」
キッドは闇雲にミーウに向けて、金属を飛ばした。ーーもう、なりふり構わずだ。
「キッド、そんな風に適当に攻撃しても、わたしには一生当たらないよ?」
ミーウは“見聞色”の覇気を使って、軽やかに攻撃を交わした。ーー少し遊んでいるようだ。
「っ! 何で当たらねェんだ!」
「そんなの簡単よ」
ミーウは後ろにバク転をしながら言った。
「キッドの実力不足よ」
「……っ!」
キッドは眉間に皺を寄せた。それと同時に、ミーウに対する攻撃が止まった。
「あれ? もう、おしまいなの? そっちが来ないなら、こっちから行くよ! 氷剣!」
ミーウの右手が氷の剣になった。
「行くよ! キッド!」
ミーウは地面を蹴った。
「チッ!」
キッドはミーウの攻撃を金属を付けた腕で防いだ。しかし……。
「……なっ!」
ミーウはキッドの金属の塊に手を置いて逆立ちをし、くるりと体の向きを変えた。そして、そのままの勢いでキッドの顔に蹴りをいれた。