第32章 戦いの果てに
「氷河!」
「!」
ミーウがそう言った途端、手のひらから冷たい氷河がキッドに向けて放たれた。しかし……。
「っ!」
キッドは身体能力の高さを活かして、ミーウの攻撃を避けた。そのまま地面に転がり、スッと起き上がった。お気に入りのファーが付いたコートが土で汚れてしまった。
「チッ! 反発!」
少しキレ気味にキッドは自分の周りにあった無数の武器をミーウに向けて飛ばした。
「氷塊」
しかし、ミーウは氷の塊を出現させて、キッドが飛ばしてきた武器に当てた。
「っ……」
武器は氷に当たって、全て地面に落ちてしまった。
「……やるな」
「あんたもね」
ミーウは笑った。
キッドはまた、能力を使って自分の両腕に金属を付けた。
「またその金属を飛ばして、わたしに攻撃をするつもり?」
「……」
「それとも、その腕に付いた武器でわたしを殴るつもり?」
「……」
キッドは悔しそうな顔をした。
「図星みたいね」
「……チッ」
(クソっ! ミーウには全てお見通しってことかよ……)
ーーキッドはわかっていた。ーーミーウに同じ攻撃が何度も通用しないことを。
(……どうすりゃいい?)
ーどうしたら、ミーウに勝つことができるんだ……?