第32章 戦いの果てに
ミーウは紅い瞳を向けて、キッドを見た。
「わたしは本気であんたをぶっ倒す! だから……」
ーわたしは……。
「能力を使って……あんたを倒す!」
キッドはミーウを見つめた。そして、笑った。
「最初っから本気で来いよ。ミーウ」
ミーウは目を見開いた。
「おれを倒すつもりなら、本気でかかって来いよ! “秒殺の女帝”キルリレ・ミーウ!」
「……わかったわ……」
ミーウは目を細めた。
「後悔……しないでね」
ミーウは〈氷鳥〉を鞘に収めた。そして、〈紅桜〉と〈氷鳥〉の鞘が付いているベルトを外し、地面に置いた。
「……? 刀は使わねェのか?」
「たとえ、使ったとしても……その金属の塊に邪魔されるからね。それに……」
ミーウは地面に置いた自分の刀を見下ろした。
「……キッドと戦うには重りにしかならなかったから」
「……」
(重り……だと?)
ーつまり、ミーウは自分に対してハンデを背負いながら戦っていたということなのか?
ミーウは下唇を舐めた。
「覚悟しな! ユースタス・“キャプテン”・キッド!」
「……随分、生意気なことしてくれるじゃねェか! やれるもんならやってみやがれ!」
ミーウは手を重ねて、キッドに向けた。
「?」
(何をする気だ?)
ミーウは不敵に笑って、口を開いた。