第31章 再会と敵
幹部たちの戦いが激しくなってそれぞれの息が上がってきた頃、ミーウとキッドは辺りを荒らすほどの激しい戦闘をしていた。ーー周りの草木がなくなってしまうくらいに……。
「オラァ!」
キッドは能力を使って自分の右腕に集めた金属の腕をミーウに向けて振りかざした。
ガキーン!!!
ミーウはその攻撃を〈氷鳥〉だけで食い止めていた。ーー能力は一切使わずに。
ギリッキリッ
金属が擦れ合う音がしている。
「ミーウ、どうして能力を使わねェんだ! おれのことをバカにしてんじゃねェだろうな!」
「……」
「おれがお前よりも懸賞金が低いからってあまく見てると、痛い目にあうぞ!」
「……っ」
(わたしは……)
「わたしはあんたをバカにしてるわけじゃない! わたしは能力を使わないで、実力であんたを倒したい」
(あの時に言われた……)
「あんたがわたしに言った……足手まといだって言ったことを後悔させてやるってあの時に誓ったから」
ーただ、それだけで……。
「そうかよ。だが……」
ガキーン!!!!!
キッドは笑った。
「いつまでその意地をはってられっかな?」
「っ!」
ミーウはキッドの片腕だけの金属の塊を受け止めていたため、もう片方がどこにあるのか予想ができず、そのため反応が遅れた。