第4章 すれ違う心
ミーウと別れたアユナは東の浜辺に急いでいた。
(キラーが……待ってる)
“竜国島”は南の海にあるので、基本的には暖かい気候だ。とは言っても、昼間よりも寒くなっているこの時間帯に長い間、キラーを外で待たせるわけにはいかない。
急いだおかげか、アユナは思ったよりも早く東の浜辺に着いた。
そこには、もうすでにキラーが大きな流木の上に座って、彼女を待っていた。
「キラー」
アユナがキラーに声を掛けると、彼はアユナに気付いて振り返った。
「アユナ、来てくれたか。こっちに来い」
そう言って、キラーは自分の隣をぽんぽんと軽く叩いた。
「うん」
アユナはキラーの隣に行って、流木に座った。
「アユナ」
キラーはアユナが座ったと同時に名前を呼び、彼女を見た。
アユナもキラーを見返した。ーーキラーは仮面を被っていて、その素顔を見ることができない。それでも、アユナは未だにこの青年に恋をしていた。
「おれとキッドは明日から、海に出て……海賊になるんだ」
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