第4章 すれ違う心
その頃、ミーウはキッドを待っていた。
「キッド、遅いな〜」
ーー珍しい。いつもキラーと一緒に、自分やアユナよりも早く来ているのに……。
ミーウがそう思っていると、後ろから足音がした。
「ミーウ」
ミーウはその声を聞いて振り返った。そして、笑った。ーーいつものように明るい笑顔で。
「キッド、どうしたの? こんなに遅いなんて、珍しいね。何かあったの?」
「……すまねェ」
キッドは少し悲しそうな様子で、目を細めた。
「キッド?」
ーーおかしい。キッドが元気じゃない。もしかして……。
ミーウはキッドに近づいて、背伸びをした。そして、自分の額とキッドの額をくっつけた。
「……ミーウ、何してんだ?」
いきなり近くなった距離に一瞬、ドキッとする。
「ん? キッドがもしかしたら、熱でもあるんじゃないかな〜って思って」
ミーウはそっと自分の額をキッドの額から離した。
キッドは眉間に皺を寄せた。
「そんなことねェが……何でだ?」
キッドは首を軽く傾ける。
「……なんか、元気ないから……」
ミーウの言葉にキッドは少しの間、黙って彼女を見つめた。
ミーウも同じように黙ってしまう。