第31章 再会と敵
ミーウとキッドは街から少し離れた、辺りに何もない野原に来た。周りには家もなく、島から見えた花畑もなかった。ーーここは島の中でもあまり人が来なくて、手が加えられていないところだった。
「ここら辺にしようか。キッド」
「あァ、そうだな」
ミーウとキッドは少し離れて、お互いに相手の様子を伺った。
「キッド、いいの?」
「何がだ?」
ミーウは笑った。
「あんたの能力……周りに武器がないと使えないんじゃないの?」
「……」
「こんな何もないところであんたの能力を発動したとしても、意味をなさないんじゃないの?」
キッドはミーウを睨んだ。
「お前、それが狙いでここにしたのか?」
「そんなセコいことはしないよ。もし使えないなら、武器のある場所に行けばいいだけじゃない。そうする?」
ミーウは淡々と言った。
キッドは笑った。
「ミーウ、敵に対してこのおれがそんなヘマすると思うのか?」
ミーウは怪訝そうな顔をした。
「……どういうこと?」
「おれは武器もそうだが、鉄でできている物なら何でも引き寄せることができる。それに、少し離れている物でも引き寄せることができる。……おれのことバカにするんじゃねェよ」