第31章 再会と敵
いつの間に引き寄せたのかは知らないが、キッドの近くにはたくさんの武器と鉄でできている物が集まっていた。
「……なるほどね」
ーーおそらく、ミーウと一緒に歩いている時にこっそり引き寄せていたのだろう。そうでなければ、これだけの量を集められるわけがない。
(ここまで能力を使いこなしていると……ちょっとやそっとじゃ勝てないかもな……)
ミーウは少し困ったように笑った。
「……少し……キッドのこと侮ってたかも」
キッドは笑った。
「おれのことを侮ってもらっちゃ困るぜ。おれは海賊王になる男だからな」
その言葉を聞いた瞬間、ミーウはキッドを睨んだ。
「……海賊王になるのは……このわたしだよ」
「ハッ、言ってろ。その夢……おれが叩き潰してやるよ」
ミーウは腰に携えていた〈氷鳥〉に手をかけた。
「本気でかかって来い! ミーウ! 手加減なんかしたら、承知しねェぞ!」
キッドは両腕に金属の塊を付けて、戦闘体勢をとった。
「そんなの当たり前でしょ? 本気で戦わないはずがないじゃない」
ミーウは〈氷鳥〉を抜いて構えた。
「わたしが何のために海に出たと思うの? あんたを倒すためだって言ったでしょ!」
ミーウは地面を蹴った。
ガキーン!!!
ミーウの刀をキッドは腕に付けた金属の塊で受け止めた。
「……」
ミーウはバク転をしながら、後ろに下がった。
「……その腕の金属、邪魔ね」
ミーウは顔をしかめた。
「……」