第31章 再会と敵
「変わってないようで何よりだ。アユナ」
「キラーも」
アユナも笑った。
「変わってなくて……良かった」
ーー彼が変わってしまうとは思わなかったが、新聞で書かれている限りは残虐で……慈悲などないと言われているから少し心配していたのだ。
キラーは仮面の中で目を細めた。
「アユナ、もうそろそろいいか?」
スレイジがアユナに聞いた。
「……ええ」
アユナは少し未練がましく思ったが、キラーはあくまで“敵”なのだ。ーー戦わなければいけない相手なのだ。
スレイジは頷いて、後ろにいるトーダとケイトを見た。
「始めるか。トーダ、ケイト」
「ああ」
「久し振りの戦闘がキッド海賊団とは……ついてないな。わたしたちも」
トーダとケイトはスレイジの両隣に行って、戦闘態勢に入った。
「アユナ、いつも通りに頼む!」
スレイジは背中にかけてある鞘から〈雷神〉を抜いて、前で構えた。
トーダは体の周りに炎をまとわせた。
「アユナ、あまり無理はするな。お前はまだ……」
「うん、大丈夫。ありがとう、ケイト」
ケイトは腰にかけてある筆架叉をとりながら、アユナを振り返った。
アユナはキラーたちを見つめた。
キラーは愛用の鎌を構えて、アユナたちを見つめた。