第31章 再会と敵
(だけど、そういうわけにはいかねェんだよ……)
ーおれたちにはそれぞれの船員たちがいる。仲間がいる。もう、おれたちは……。
(引き返せねェんだ)
ー前のようには戻れねェんだ。ーー敵だから。
「確かに、おれたちは友達“だった”」
キッドはミーウを見つめた。
「だが、それは昔の話だ」
ミーウは目を見開いた。
「今はもう……違ェんだよ」
「……」
ーそんなの……。
「そんなの、おかしいよ……」
ミーウは泣きそうな顔をした。
「友達は……ずっと友達でしょ?」
ー何年経っても、どんな人になっても……友達は変わらない。
キッドはミーウから目を逸らさない。
(あァ)
ーその通りだ。友達はずっと友達だ。何年経とうが……。だけど、おれたちは敵なんだ。海賊として、殺して殺される敵同士なんだ。だから……。
(だから、仕方ねェんだ)
ーそれが……おれたちが選んだ道だから。
キッドは振り切るように、1度目を瞑ってから目を見開いた。
「おれらは敵同士なんだ! 友達ごっこなんて、いつまでもしていることがおかしいんだよ! 反発!」
ーおれたちの関係は……変わったのだから。
キッドはあらかじめ引き付けておいた刀や銃をミーウに向けて攻撃した。
ミーウはその攻撃を“見聞色”の覇気を使って避けた。