第31章 再会と敵
「おれが倒さねェと意味ねェんだよ!」
ミーウはキッドを見つめた。
「キッド……さっき、あの人たちを殺そうとしてたよね? 確実に」
「んなの、お前には関係ねェだろ!」
「何で?」
ミーウは悲しそうな顔をした。
「何で、そこまでしないといけないの?」
キッドは目を見開いた。
「夢を笑われたのなら、叶えればいい。文句を言わせないように自分で……自分の手で夢を叶えられるように努力すればいい。それだけでいいじゃない!」
キッドは口を閉じた。
「昔のキッドはそんなんじゃなかった! 笑われても、人を殺すようなことだけはしない人だった!」
「黙れ!」
ミーウはびっくりして、口を閉じた。
「そんなこと、お前に指図される必要はねェ!」
ミーウは覇気を全身にまとった。
「確かに、その通りよ」
ミーウは顔を俯かせた。
「わたしはキッドの船の船員じゃない。キッドの仲間でもない」
ーでも……。
「でも、わたしはキッドの友達でしょ?」
ミーウは顔を上げた。ーー怒っているような、それでいて……とても悲しそうな顔をしていた。
「……」
キッドは目を細めた。
ー確かに、おれたちは友達だ。幼馴染みと言ってもいいくらいの時間を共に過ごしてきた。今もその関係は変わらない。壊したくない。だけど……。