第31章 再会と敵
「すばしっこいな! ミーウ!」
キッドは引き付けていた武器を両腕に付けた。それは巨人の手のように大きくなっていた。
「来いよ。“秒殺の女帝”キルリレ・ミーウ! お前を倒してやるよ!」
「……」
ー戦うしか、方法はないのだろうか……。敵だとしても、友達だというのに……。そんなの……。
「悲しいよ……」
ミーウがそう思っている間にも、キッドの攻撃は続く。
「いくぞ、ミーウ! 喰らいやがれ!」
キッドの攻撃が上から来ているが、ミーウは動こうとしない。ーー動いたら、自分たちの関係が敵なんだと認めてしまうのと同じような気がして……。
「!」
(何で避けねェんだ、ミーウ!)
ー避けろ! 避けてくれ……。
「チッ」
キッドは攻撃を止めようとした。しかし、勢いがついてしまっているため、攻撃のスピードは止まらない。
それでも、ミーウはまだ動かない。
「ッ! 動け! ミーウ! 避けろ!」
キッドは我慢できなくなって叫んだ。ーーたとえ、敵だとしても友達を傷付けること……ましてや、殺すことなどしたくなかったのだ。
「ミーウ!」
ドーン!!
ミーウの上からキッドの攻撃が炸裂して、辺りには大きな音が響いた。
「……」