第31章 再会と敵
「島だ!」
スレイジが甲板から声を上げた。
ミーウたちはその声を聞いて、一斉に海の向こうを見た。
クユンは1人でせっせと上陸準備をしている。
「綺麗な島ね」
アユナは目を細めた。
ーーミーウたちが着く予定の島はとても綺麗で賑やかな島だった。煉瓦造りの建物が並んでいて、島には花が咲き乱れていた。
「島に着いたら、各自自由行動ね」
ミーウは自分の船員たちに言った。
「了解」
「用事が終わったら、なるべく早めに帰って来てね」
皆は頷いた。
「今日の見張りは……」
「おれがやろう」
クユンが名乗り出た。
「船の修理をしないといけないんだ。〈偉大なる航路〉に行くのに、あちこちボロボロだと保たないだろ?」
「じゃあ、ぼくも手伝います」
ジウはそう言って微笑んだ。
「おれも残る。今日は船にいて、のんびりしたい気分なんだ」
ミシュラはあくびをしながら言った。
「わかった。何かあったら電伝虫に電話して。すぐ行くから」
「わかりました」
そうこうしているうちに、島に着いた。
「皆さん、お気を付けて」
ミーウたちは2人と1匹に見送られて、島に上陸した。
「島に上陸するのも久しぶりね」
「そうね」