第16章 船の思い出
「ええ、少し前に航海術について教えたことがあるでしょ? 世界を縦断する〈赤い土の大陸(レッドライン)〉と、それに対して垂直に世界を1周する航路〈偉大なる航路〉」
「はい、覚えてます。その2つによって、分けられている4つの海を西の海(ウェストブルー)、北の海、東の海(イーストブルー )、南の海と呼ぶ……」
「そうよ。北の海はその中の1つ」
シェルミーは微笑んだ。
「ちょっとだけ、気になる事があってね……。それを調べに行こうと思うの」
意味ありげに言い、シェルミーはミーウの長い黒髪を撫でた。
「最近、ミーウと旅行も行けてなかったし……良かったらどう?」
「行きます!」
ミーウは嬉しそうに笑った。
「ふふふ、あなたが行くならアユナも行くわね。2人とも、旅行までに準備しといてね」
「はい!」
+