第16章 船の思い出
「北の海?」
「うん!」
翌日、いつもの大楠の前に集まったミーウはキッドとキラーに1週間後、旅行に行くことを伝えた。
「おばあさ……おばあちゃんと一緒に行くの」
「そうなのか。最近、どこにも行ってなかったから久し振りじゃないか?」
少し前まで、ミーウは毎月1回はシェルミーに連れられてどこかに行っていた。しかし、ここ最近はシェルミーの仕事が忙しく、なかなか旅行に連れて行ってもらえなかったのだ。
「おばあちゃんが忙しかったからね。今回も仕事のついでに行くみたい」
「そうなのか」
キラーはミーウの言葉を頷きながら聞いた。
「ふーん、ミーウのばあちゃん、まだ仕事してんだな。何の仕事なんだ?」
「えっと……わたしも良くはわからないんだけど……」
ミーウは目を泳がせた。ーー世界政府や海軍と関わりがあることをキッドとキラーは知らないからだ。
「そっか。ミーウのばあちゃんも大変だなー」
キッドは頭の後ろで手を組んだ。
「うん。でも、おばあちゃんも旅行に行けることは嬉しそうだったから」
ミーウは嬉しそうに話す。
キッドもミーウの笑顔に釣られて笑顔になる。
「アユナも行くのか?」
「ええ」
アユナはキラーの言葉に頷いた。