第15章 船大工を探せ
次の日の朝、ミーウは珍しく早く起きて、すぐに朝ご飯を済ませた。そして、すぐに船を直してくれる船大工を探しに行った。
「ミーウ……もういねェのか」
少し遅く起きて来たスレイジがキッチンでお皿を洗っているアユナに声を掛けた。
「ええ……さっき出て行ったわ」
「そうか……」
スレイジは食堂の椅子に腰をかけた。
「ミシュラは?」
「ミシュラもミーウについて行ったわ」
「……そうか」
アユナはスレイジの目の前のテーブルに朝ご飯を置いた。ーー食パンの上に卵のマヨネーズ和えが乗っているものとコーンスープだ。
「ミーウ……まだ諦めていないのか?」
「ええ……」
アユナはスレイジの前の席の椅子に座った。
「この船は……ミーウにとって、特別な物だから」
アユナは食堂の天井を見上げた。
「……形見か……」
スレイジは椅子に掛けた刀を見た。
「まだミーウの中で、ちゃんと踏ん切りがついてないの。ミーウのおばあちゃんの……」
ーいつも思い出すのは炎の光景。目の前で大切な人を失う怖さ。
「踏ん切りをつけることなんて……一生できねェかもしれねェ」
ー思い出すのは、腕の中で目を閉じていく大切な人の姿。力が抜けていく手。叶えられない約束。