第14章 君の温もり
「大丈夫」
それを聞いて、スレイジはほっと息をついた。
「ところで……」
スレイジはミーウの紅い瞳を真剣な目で見た。
「お前……傷なんてあったんだな」
ミーウはその言葉に、肩をびくりと震わせた。
「え……」
(しまった……)
「どんな傷なんだ? おれに見せられねェくらい、酷いのか?」
スレイジはミーウの細い肩を両手で掴んだ。
「なァ、ミーウ」
「……」
「答えろよ!」
ミーウは俯いた。
「……今は見せられないの……。そのうち……見せるから……」
スレイジは黙って、俯いたミーウを見つめた。
「本当だな?」
「……うん」
アユナとミシュラはその様子をドキドキしながら見守っていた。
「……わかった」
スレイジは笑った。
「おれはお前を信じるぜ、船長」
ミーウは顔を上げて、スレイジを見つめた。そして、優しくまた困ったように笑った。
「ありがとう。スレイジ」
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