第14章 君の温もり
アユナはミシュラと違い、優しく先程のことを聞いた。
「あ、あァ……」
スレイジはその態度のおかげか、正直に頷いた。
「おれが時間が時間だから、風呂に入ろうと思ったんだ。そしたら……」
「そしたら?」
「……ミーウがその、は、裸で立ってて……」
「……」
スレイジは顔を真っ赤にしながら、そっぽを向いた。
「わ、わざとじゃねェんだ! 本当だ!」
スレイジはテーブルにバンッと手をついて、勢いよく立ち上がった。
「……わかったから……疑ってないから、落ち着いて? スレイジ」
アユナはスレイジを落ち着かせるために、テーブルに置かれたスレイジの手の上に自分の手をそっと乗せた。
スレイジは大人しく椅子に座る。
ミシュラはその様子を見て、ため息をついた。
「見たのか?」
「み、見たのかって、んなの! その……あーーー!!!」
スレイジはまた叫んで、今度はテーブルに突っ伏した。
「……見たんだね、スレイジ」
その声を聞き、2人と1匹は食堂の入り口を振り返った。
「ミーウ……」
ミーウはいつも結んでいる髪を下ろし、寝間着姿で立っていた。髪の毛はまだ乾いておらず、雫がポタポタと床に落ちている。
「スレイジ……」
ミーウはスレイジの方へ歩を進めた。