第14章 君の温もり
ミーウがお風呂に入っている間、アユナとミシュラとスレイジは食堂にいた。
「それで、スレイジ。ミーウと何があったんだ?」
スレイジはミシュラに話を聞くという名の尋問を受けていた。
「えっと……だな。そのー」
スレイジは口籠るだけでなかなか答えようとしない。
「早く答えろ!」
「わかってる……」
「お前、わかってないだろ!」
「わかってるっつってんだろ!」
「なら、早く答えろ!」
「うるせェな! 少しは黙れよ!」
1匹の狼と青年は口喧嘩を始めてしまった。
「2人とも、そこまで」
アユナはいつまで経っても口喧嘩をやめようとしないミシュラとスレイジを止めた。
「口喧嘩しててもしょうがないでしょ?」
ミシュラとスレイジはアユナの言う通りだと思い、口喧嘩をやめて黙った。
「……」
アユナはそんな1匹と青年を見て、苦笑いを浮かべた。
(ミシュラもスレイジも、ミーウのことになるとこれだから……)
呆れながらも、アユナはそんな光景を微笑ましく思っている。ーーまるで、ミーウとキッドを見ているように。
しばらくして、ミシュラとスレイジが落ち着いたようなので、アユナは話を切り出した。
「それで、何があったのか話してくれる? スレイジ」