第14章 君の温もり
「お、賛成!」
「おれもおれも!」
船員たちは酔っ払っているせいで、普段は言いもしない冗談をキッドに言った。
「キッドの頭が知ってる女ってのは、よっぽどの美人なんだろーな!」
「だなー!」
「頭、何もしなくても女が寄って来るから羨ましいぜ!」
「黙れ!」
キッドは船員たちを睨んだ。
船員たちはその声を聞いて口を噤んだ。
「ミーウはおれの女じゃねェ! だが、紹介は絶対にしねェ! いいな!」
「わ、わかりやした」
キッドの怒りによって、一気に酔いが覚めた船員たちの言葉を聞き、キッドは椅子に座って酒を煽った。
(ったく、何なんだ)
ー何でこんなにイラついてる? 何であいつを紹介しろって言われただけで、腹が立つんだ? 何でこんなモヤモヤした気持ちになるんだ?
「チッ、おい、酒持って来い!」
「ヘ、ヘイ。ただ今」
1人の若い船員が急いで酒を持って来た。
キッドは船員が持って来た酒をグラスに注いで、一気に呑んだ。
ーさっきのは空耳だろう。きっと長旅で疲れが溜まっているのだ。
(……次の島に着いたら、女でも買うか)
そう考えて、キッドはさっきの船員が持って来た酒瓶を取り、空になったグラスに少々乱暴に酒を注いだ。