第14章 君の温もり
ミーウは首を傾げた。
「あァ」
スレイジは頷いた。
「ちょっとついて来てくれねェか?」
「いいよ」
ミーウは椅子の上で体の向きを変え、ピョンっと立ち上がった。
「ちょうど暇だったしね」
ミーウはにこりと笑った。
スレイジはそれを見て、顔を真っ赤にした。だが、それを隠すように後ろを向き、ミーウの前を歩き出した。
(……あんなの反則だろ……)
ミーウはスレイジが平静を装おうとしているのも知らずに、スレイジについて歩く。
「それで、気になるものって何?」
「あ、あァ、もうすぐそれがある場所に着くぜ」
スレイジはそう言って、ある部屋の前で止まった。
「ここだ」
「ここ? ここってスレイジの部屋じゃない」
ーーそこは、スレイジが仲間になった時に急いでミーウたちが片付けた、もともと物置だった場所だ。ーーシェルミーが使っていた時は確か……護衛の人や一般海兵の寝室になっていた……と思われる。空いている部屋は他にもあるが、スレイジがこの船の入り口に近い部屋がいいと言ったので、この場所にした。ーー理由はもしも他の海賊が乗り込んで来た時に、すぐに自分が応戦できるようにするためだ。ちなみに、ミーウは船長だからという理由で、1番奥の船で1番広い部屋になっている。アユナはその隣、ミシュラはミーウと同じ部屋だ。
「あァ、そうだ」