第2章 幼き日の約束
「……」
ーー海は……正直、怖い。それに、危険がたくさんあることもわかっている。自分が足手まといになってしまうかもしれないという思いもある。でも……それでも……。
(もしも、許されるのなら……)
「……わたしも、行きたい」
ーー3人と一緒にいたい。
(自分の使命を果たすことと……)
ーーキラーの側にいたい。
アユナも笑った。彼女の答えを待っていたミーウも同じように笑う。
「ったく、しょうがねェな。じゃァ、それまでにそれぞれ強くなっておくこと! それが最初の船長命令だ。いいな!」
3人は船長命令を受けて、同時に頷いた。
「約束ね」
ミーウは右手の小指を前に出した。
「あァ」
キッドも小指を出す。アユナとキラーも。
4人は小指の先をくっつけた。
「約束!」
4人は誓った。それぞれの心に。そして、未来に。
ーーこの時、後に世界中にその名を轟かせることになる4人はまだ無邪気な子供であった。
キルリレ・ミーウ。ーー後に“秒殺の女帝”として、海賊を始め、海軍をも剣術や覇気を用いて秒殺で倒すほど強くなるこの少女は9歳。まだ幼く、世界を知らないでいた。