第2章 幼き日の約束
ミーウは紅い瞳を輝かせて言った。
「無理だ。女は足手まといになるかもしれねェだろ」
「なら、強くなる。足手まといなんて、絶対に言わせない」
ミーウは本気だった。
キッドは黙って彼女を見つめていたが、やがて諦めたように笑った。
「わかった。お前は、おれの船の船員だ」
それを聞き、ミーウは嬉しそうに笑った。
そんな2人の様子を見て、キラーはふーと長く息を吐いた。
「仕方ないな。じゃあ、おれが副船長になってやる。お前ら2人だけだと、何やらかすかわからないし心配だ」
そう言って、キラーも笑った。
「キラーまで……」
アユナは少し困った表情をした。まさか、キラーまで行くと言い出すとは思わなかったからだ。
「アユナは? 行かないの?」
ミーウは首を傾げて、アユナに聞いた。
「え……」
アユナは思いがけないミーウの言葉に少し目を開いた。そんな質問をされるとは思わなかったのだ。
(わたしは……)
アユナは3人を見た。ーーミーウのことは守りたいし、何をするか分からなくて心配だから一緒に行きたい。それに、キッドの夢を最後まで見届けたい。キッドが海賊王になる瞬間を他の3人と一緒に見たい。キラーと……ずっと一緒にいたい。叶わないかもしれないけど……自己満足で終わってしまうかもしれないけど……せめて隣にはいたい。だけど……。