第2章 幼き日の約束
「キッドは海賊王になるの?」
ミーウは事の大きさが分かっていないのか無邪気に笑い、キッドに聞いた。
「あァ」
キッドは優しく、自信に溢れた顔で笑った。
「じゃあ……」
ミーウも笑った。ーー太陽のように眩しく、輝くように。
「わたしをキッドが乗る船に乗せて、海に連れてって」
それこそ、アユナとキラーは息をするのも忘れるくらいに驚いた。
「ミーウ、海賊の旅がどれだけ危険なのか知ってるの?」
アユナはミーウのことが心配で聞いた。ミーウが海賊になりたいと言い出すとは思わなかったからだ。
「知ってるよ」
ミーウはあっさり答えた。
「海賊同士で戦ったり、賞金稼ぎに命を狙われたり、とても強い嵐にあったり、海軍に追われたりするんでしょ?」
「知ってるなら……」
アユナは必死にミーウを止めようとした。ーーミーウを危険な目に遭わせたくなかったから。
「でも、行きたいの」
ミーウはまた笑った。ーーその笑顔は何かを楽しみにしてて仕方がないような様子だった。
「海に……行きたいの。どこまでも広くて、何よりも自由な世界を見てみたいの。この目で実際に見てみたいの。話を聞くだけじゃわからない世界を。いいでしょ? ねェ、キッド」