第10章 あなたのためなら
キッドはネックレスから目線をキラーに移した。
「こんなことを聞くのもどうかと思うが……」
「なんだ」
キラーは仮面の奥で瞬きをして、口を開いた。
「お前、ミーウが好きなのか?」
「な!?」
キッドはみるみる顔を赤くしていく。
「なんだ? 違うのか?」
キラーは面白そうに仮面の中で笑っていた。
「ち、違う!」
キッドは椅子から立ち上がった。
「どこ行くんだ?」
「そ、外だ」
キッドはそのまま甲板へ出て行ってしまった。
「……わかりやすいやつ」
ーあの様子だと無自覚か?
そんなことを思いながら、自分も人のことを言えないなと反省するキラーであった。
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